2018年04月26日

EVF見学会報告:「出光興産(株)石炭・環境研究所&出光バルクターミナル(株)」

実施日 : 2018年4月26日(木) 10:00〜12:50
訪問先 : 出光興産(株)石炭・環境研究所&出光バルクターミナル(株)
         http://www.idemitsu.co.jp/rd/laboratory/environment/
参加者 : 18名

4月度のEVF見学会は「出光興産(株)石炭・環境研究所&出光バルクターミナル(株)」を訪問しました。
今回は昨年9月に訪問した「出光興産(株)千葉製油所・工場」の時とは違い、前日の雨も晴れ上がり、大変気持ちの良い見学会でした。
内房線「長浦駅」まで出光バルクターミナル(株)手配のマイクロバスで迎えに来て頂き、石炭・環境研究所に着くと、先ず研究所講堂のビデオで石油会社・出光興産の石炭事業の取り組みと石炭・環境研究所、物流基地・出光バルクターミナルの概要説明がありました。

出光の石炭販売は、国内石炭火力発電所などへの直送販売のほか、千葉と徳山(周南)にバルクターミナル(中継基地)を有し、需要家への最適物流を提供するとともに、石炭・環境研究所にて蓄積したクリーンコール技術により、需要家に対して石炭の有効活用を提案しています

【石炭・環境研究所】
「石炭・環境研究所」は1982年(昭和57年)中央研究所(現先進技術研究所)内に石炭の研究グループとして発足し、2005年(平成17年)環境分野の研究開発拡大に伴い、「石炭・環境研究所」に名称変更しました。石炭・環境研究所は、石炭資源の利用可能性を広げ、多くのお客様に活用していただくことを目的に誕生し、ニーズを先取りした技術サービス(石炭評価システムなど)と、石炭のクリーン利用技術の開発(ボイラ燃焼シミュレータ、高温炉内監視カメラなど)を積極的に推進し、ラボスケールの基礎データから実機規模での実用データまでを取得・解析する設備を整え、国内外のお客様・大学・研究機関との石炭技術情報ネットワークを構築しています。
IMG_3725-2.jpg
<石炭・環境研究所の役割>
1.販売技術支援
 ・ 需要家への技術サービス
 ・ コンサルティングサービス
2.資源開発支援
 ・ 鉱山の品質評価
 ・ 鉱山の生産管理支援
3.石炭需要の創設
 ・ 環境対策技術の開発
 ・ 高効率利用技術の開発

<主な取り組み>
1.技術コンサルティング
長年培ってきた石炭の高効率燃焼技術、環境対策技術をベースに、お客様の技術課題や環境問題の解決に貢献する技術やシステムを開発し、これらのツールを基にお客様の多様なニーズに応え。
2.燃焼シミュレータ(ボイラ燃焼最適化解析)
炉内のガス流、温度分布、粒子軌跡をコンピュータで解析し、最適なボイラ運転条件を提案する。
3.石炭評価システム
新規炭の品質性能を新しい評価指標で高精度に予測し、石炭ボイラでの使用炭種拡大を支援する。
 4.高温炉内監視カメラ
石炭ボイラ内の燃焼状態やスラッギング状態を鮮明な映像で監視できる。
 5.石炭・バイオマス分析
産地によって品質が大きく異なる石炭やバイオマスをはじめとした固体燃料の性状や実用性能を分析・解析する。
6.実用性評価・試験
実機ボイラでの燃焼性、粉砕性、ハンドリング性、自然発熱性などの予測評価や微粉炭燃焼炉試験を実施する。
  7.環境対策技術商品
石炭の粉塵飛散を防止し、貯炭場や工場における作業環境改善や、近隣民家の生活環境悪化の改善に役立つ石炭粉塵飛散防止剤を揃えています。

COP21以来、地球温暖化防止が急務になり何かと批判が多い石炭事業ですが、原子力発電廃絶が叫ばれる中、近未来的にはまだまだ再生可能エネルギーに頼りきるわけには行きません。その中で断然安価な石炭利用に期待がかかっています。
その石炭事業に環境面からより新しい高レベルな環境関連技術が求められています。
出光の「石炭・環境研究所」の活動に期待したいと思いました。
DSCN6013-2.jpg
【出光バルクターミナル(株)】
出光バルクターミナルは、1986年10月から環境に配慮した大型海外炭輸入基地として操業し、特殊構造フェンスを備えた貯炭場擁壁と密閉式パイプコンベアによる構内搬送で炭塵飛散のない高能率・自動化されたクリーンなコールセンターです。

<貯炭場擁壁と防風フェンス>
高さ10mの擁壁とその上に設けた5mの特殊構造フェンス、さらに堰堤法面(擁壁外面)の勾配(30度)の相乗効果で、貯炭ヤード上の風速の減速および渦流防止効果を発揮します。
<パイプコンベヤ>
密閉式パイプコンベヤを採用した構内搬送で炭塵飛散のないクリーンなコールセンターを実現しています。
<受入設備>
最大受入船型95,790DWT級の受入れ桟橋(長さ317m、水深14m)には連続式バケットエレベーター型アンローダー(能力1,200ton/h)を擁し、パイプコンベアで貯炭場へ搬送されます。
<貯炭設備>
貯炭場は面積が79,950m2で350千トンの貯炭能力があり、荷役設備としてスタッカー&リクレーマー(能力2,400ton/h)を備え、トラック出荷と船出荷(パイプコンベアで船積設備へ搬送)されます。
<船出荷設備>
最大受入船型10,000DWT級の出荷桟橋(長さ212m、水深7.5m)には貯炭場からパイプコンベアで搬送されて来た石炭を船舶に積み込むシップローダー(能力2,400ton/h)を擁しています。
<海洋汚染防止対策>
炭塵飛散防止のため貯炭場内に設置された散水銃(固定式41基、移動式6基)からの排水や場内施設で発生した排水は石炭の粉が混ざって真っ黒になるので、事業排水処理設備で凝集沈殿・砂ろ過され処理水槽(2,500m3)へ貯められ、再び炭塵飛散防止用水として再利用(クローズドシステム)されています。なお、事業排水処理設備で分離された微粉は回収します。
DSCN6016-2.jpg
最後になりましたが、今回の見学会をアレンジして頂き、更に送迎・構内見学用マイクロバスと昼食までご用意して頂いた石炭・環境研究所 山下 亨所長様、角一雄総務主任様および出光バルクターミナル(株)代表取締役社長木下 茂樹様、上原 淳取締役業務部長様ならびにご丁寧に説明して頂いた皆様、ありがとうございました。

posted by EVF イベント at 17:00| 見学会