2017年01月26日

EVF見学会報告:味の素 川崎工場

EVF見学会の概要報告      (久保田 惣治)
・開催日時 : 平成29年1月26日(木)
・見学先  : 味の素 川崎工場
          https: //www.ajinomoto.co.jp/kfb/kengaku/kawasaki/ 
・参加者数 : 14名

「味の素」は1888年、葉山の海岸で鈴木ナカが、化学の知識が無いながらも家計の足しにと海草からヨードを取り出す試みから始まった。
当時帝国大学理科大学の助教授であった池田菊苗博士は、昆布だしを味わう内に、4つの基本味である甘味、塩味、酸味、苦味とは違う、もうひとつの味があることを確信。研究を重ねた末、1908年についに昆布だしの味の成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見し、この味を「うま味」と命名する。そして、グルタミン酸を原料としたうま味調味料の製造方法を発明し1909年5月、「味の素」と名付けた調味料を満を持して世に送り出した。
「味の素」は現在では世界の130か国で販売されています。

「味の素」の工場見学には 1.「味の素」コース、 2.「ほんだし」コース 、3.「COOK DO」コースの3つがあり、今回は「ほんだし」コースを見学しました。

見学会はまず「シアター見学」です。360度の大迫力スクリーンでうま味と共にあった日本人の食のあゆみを体感しました。
「シアター見学」の後は「アジパンダ」バスに乗って工場に移動します。
工場は33万平米と広大で、京急電鉄の「鈴木町駅」は味の素の鈴木三郎助社長にちなんで名付けられたそうです。
Tour20170126R1.jpg「ほんだし工場」に入るとまず「かつお節削り体験」です。
私たちが小さい頃には家庭では毎日「かつお節削り」をしていたと思いますが、今では「かつお節削り」をされている家庭では無いでしょう。そんな昔懐かしい体験もしました。

「ほんだし」の製造工程は、赤道付近で水揚げされたかつおは-20度で冷凍され、かつお節工場に運ばれる。かつお節工場ではこだわりの薪で煮熟・焙乾され、深い香りとこくが染み込み、燻かたの違いで、「深燻し」、「極深燻し」、「浅燻し」の3種類のかつお節になる。
かつお節は粉砕工程で5mmから更に1mmに砕かれ、かつおのうまみや煮汁からと作ったエキスをかけられた後に顆粒状にされる。サラサラな顆粒状にすることで溶けやすく、どんな料理にも合いやすくなります。

製造工程見学の後はうまみ体験・「ほんだし」おにぎり試食会です。
お味噌だけで作ったお味噌汁にほんだしを加えることに依って味が全く変わるのは吃驚です。

味の素川崎工場が稼働し始めたのは1914年。その頃の多摩川沿いは芦原や畑・松林が広がる土地でした。それから100年、川崎市はベッドタウンとして成長を遂げ、多摩川沿岸も様々な工場や住宅がひしめき合う様になっています。
食品やアミノ酸の製造過程から出る排水には、窒素や有機物が多く含まれています。もしそれらを処理せずに多摩川に放流すれば、植物プランクトンや藻が大量発生し、水質を悪化させる原因になりかねません。そこで川崎工場の排出処理施設では、微生物の力を使って窒素や有機物を除去し、多摩川の水よりもきれいにして環しています。また排出処理工程で出る汚泥も、乾燥させることで肥料の原料として資源化して、循環しています。

製造過程では電力を大量に使用しますが、川崎工場では必要なエネルギーはすべてを自家発電でまかなっています。発電の要となるのが6基のガスエンジン設備とボイラーです。
この設備では工場内で必要な電力以上の発電が可能なため、余剰電力は東電に売電しています。

製造過程で出る「搾りかす」も燃料として使用しています。川崎工場で製造している液体調味料は大豆の搾りかすが(ヒューマス)発生します。従来ヒューマスは燃料として使用するのが困難でしたが、濾過洗浄技術の向上に取り組み、石炭並みの熱量を有するバイオマス燃料として利用することが出来る様になりました。

この様に味の素は地域の特色に合わせて環境への取り組みを進めています。

最後になりましたが、ご親切にご案内頂いた味の素うま味体験館の皆様ありがとうございました。
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posted by EVF イベント at 20:00| 日記